13年1月
中小企業金融公庫の「中小公庫 マンスリー」の1月号に「ちょっと一息(骨の健康を考える)」というタイトルで、東京都老人総合研究所・副所長・鈴木隆雄さんが書いている文章です。その 中に「骨粗しょう症」や「老人の大腿部頸部骨折(足の付け根の骨折)」のことが書かれています。その一節を紹介します。
「1994年に私共によって行な われた全国での大規模な調査から興味ある所見が得られている。なかでも筆者が注目しているのは若い時からの長年にわたる布団での寝起きも含めた畳での生 活、あるいは魚食の習慣や日本茶の飲用など、いわば日本的な伝統習慣が骨折の危険性を減じているのではないかという点である。このような長年にわたる特有 の生活習慣が骨折予防に有効であることは十分に可能性のあることである。特に畳での生活習慣は長年にわたり「座るーしゃがむー立ち上がる」という一連の運動を通じて、足腰の筋肉の強化とバランス能力を休みことなく鍛錬しているのとまったく同じ意味なのである。(中略)これは、日米の高齢者の下肢筋力や転倒に関する比較研究からも日本人高齢者の有意な筋力の強さが示されていることもよく一致している。(後略)」
畳の生活は知らず知らずに筋力強化に繋がって、老人になってからの骨折予防になっているということです。